日本ハムが女子野球チームを運営? 今後の女子プロ野球を考える

 

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どうも、chibakyoです。

今日のデイリースポーツで目を引く記事が出ていましたね。

www.daily.co.jp

 

 

 日本ハム・吉村浩GM(55)が30日、将来的な女子野球チームの共同運営へ意欲を示した。存続が危ぶまれている日本女子野球リーグのため、今後は球団として新規参入を検討していく可能性がある。
 日本女子プロ野球機構が運営する同リーグには現在4球団が所属しているが、球団運営を支えているのは「わかさ生活」の1社。直近3年で1球団あたり単年2億円前後の赤字を計上する苦しい状況の中、吉村GMは未来への展望を明かした。
 「プロ野球チームもいずれ女子野球チームを持ったり、共同で運営したりすることもあるんじゃないかな」
 今後、ドラフトで女子選手を指名する可能性も「うちは育成選手を取っている」とゼロではない。北の大地に根ざす“開拓の精神”で球界の未来を変える。

(デイリースポーツから引用)

なかなか面白い試みなんじゃないでしょうか?

報道にもあるように現在女子プロ野球は存亡の危機にありますし、再興のことを考えると良い起爆剤になるのではと思います。

今回は女子プロ野球の再興を軸にいろいろ考えていきたいと思います。

 

そもそも女子プロ野球とは

4チームで構成

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現在、女子野球プロ野球は4チームで構成されています。

 京都フローラ (本拠地 : 京都府京都市)

 愛知ディオーネ (本拠地 : 愛知県一宮市)

 埼玉アストライア (本拠地 : 埼玉県さいたま市)

 レイア (本拠地 : 京都府城陽市)  ※育成球団

 

リーグは2010年に京都と愛知(当時は兵庫)の2チームで創設され、途中でチーム数増加や本拠地移転など、紆余曲折を経て現在に至ります。

詳細は公式サイトを参照のこと。

 

日本女子プロ野球機構が運営するリーグだが

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見出し通りなんですが、女子プロ野球のリーグは日本女子プロ野球機構(以下:JWBL,機構)によって運営されています。その機構というのがWikipediaによると、

日本女子プロ野球機構(にほんじょしプロやきゅうきこう、通称:JWBL)は、2009年8月17日に日本における女子プロ野球リーグ創設の為、わかさ生活を株主として設立されたプロ野球リーグ運営法人。商号は一般社団法人日本女子プロ野球機構。本部は京都府京都市

みたいです。

このリーグが特殊な点が、「リーグもチームもひとつの会社で運営されている」ということでしょう。

JWBLがわかさ生活によって設立され、リーグを構成する4チームが全て同社によって運営されており、選手はすべて「わかさ生活の社員」としてプレーしています。

女子野球普及の理念の下で、これまで球団数を増やしたりファンサービスに力を入れたりとファン層拡大に努めてきたものの、事業は軌道に乗ってきたとも言えず赤字続き。

1球団あたりの運営費は2億円以上かかる一方で、売り上げは5千万円程度と大赤字で1社のみの運営が行き詰まっている感があります。

 

10年目の岐路

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細々となんとか続いてきて現在に至りますが、10シーズン目に当たる2019年に大事件が起こります。

11月1日に、リーグ所属選手71人の約半数にあたる36人が今季限りで退団すると発表されたのです。

その中には有名選手も何人か含まれていました。

産経新聞の記事によると、

関係者によると、来季に向けた交渉の過程で契約の見直しが提示されたという。新たな契約内容は、シーズン中は野球に専念するため固定給プラス出来高払いとする一方、オフ期間は選手としての給与はなく、社員として働くか別の働き先を見つける-というもの。条件面で折り合わなかった選手のほかベテランには戦力外通告を受けた選手も多く、これが大量退団の要因となった。
 もちろん、退団後もプレー継続を望む選手は少なくない。「みなさん、プロ生活4年間、本当にお世話になりました。これからも野球を続けていきますので、ご声援をお願いします」。退団試合の翌日にJWBLの公式ホームページに掲載された動画で、加藤はこう挨拶した。

 

要するに経営が芳しいわけではなかったため、契約内容を見直しをしようとしたところ折り合いが付かずに…といったところでしょうか。

内部事情に通じてるわけではないので断定は出来ないですが、収入が全く無いシーズンオフの時期に給与無しにしたいという機構側の思惑も経営側の観点から考えると理解できなくもありません。

いずれにせよ大きな赤字を抱え、さらに選手の大量流出となれば存続はかなり厳しいと言わざるを得ないでしょう。

発表から2ヶ月が経つ今でも2020年シーズンの方向性は未だに決まっていません。

 

 

日本ハムの発言内容とは?

記事によると、「共同運営」と書かれていたので、現在わかさ生活のみが出資しているリーグに出資するという意味なのでしょう。

さらに吉村GMは「プロ野球チームもいずれ女子野球チームを持ったり、共同で運営したりすることもあるんじゃないかな」とも言っているので、ゆくゆくは日ハム球団も女子チームを編成して参入するということでしょうか。

いずれにしても日本ハムは2023年の新球場オープンを控えるなど、独立採算型のチーム作りを目指して着々と準備を進めているところ。球団運営のノウハウや経営ビジョンを明確に持っているので、いざ参入となれば少なからずJWBLには好影響は出てくるのではないでしょうか。

 

今後どうしていくべきか?

現状女子プロ野球は経営難と人手不足で、来期のことについて未だに決まっていない状況です。このリーグを継続させようとするならば、何かしらの支援は必要になってくるでしょう。

その一環として、今回の日ハムの発言にもあったようなNPBの協力によるリーグ運営やチーム参入がいちばん確実かもしれません。

NPBに限らずとも野球だけで収益を上げることに関してはまだまだ発展途上なので、慈善事業と割り切って運営に名乗りを上げる別のスポンサーの確保は必ず必要です。

ですので、わかさ生活側が外部からの支援の受け入れを表明するかどうかに掛かっていると思います。

ある意味このリーグ自体が10年間ひとつの会社の事業になっているので、そこに他所の血を入れるのかは未知数なところ。

 

もしそれが受け入れられないというのであれば、男子の独立リーグを模した別リーグを結成するというのが個人的なプランBです。

ただし知名度や競技レベルの観点からみても、女子野球で収益を上げるのは男子の独立リーグよりも難しいでしょう。

ですので、女子チーム部門を立ち上げる余力のあるNPB球団が中心となったリーグがいちばん安定するのではないかと思います。

 

どういう形でリーグを運営していくにせよもう一つ言いたいことがあります。

日本の野球は女子でも世界トップクラスの実力を誇りますが、やはり競技人口の問題もあり、一定以上のレベルと規模のリーグを日本人の選手だけで維持するのは難しいと思います。ですので、男子よりも外国人への門戸も大きく開けて、いっそのこと世界中の優秀な女子選手が集まるリーグを作るべきだと思います。

 

などといろいろ書き連ねてきましたが、結局のところ女子リーグ存続の危機の一番の要因はやはり知名度不足なのではないでしょうか。

もちろんコアなファンは一定数いるとは思いますが、現状それだけではリーグ運営は出来ないのです。

再びリーグを盛り返すためには、日本野球界のビッグパワーであるNPBがどんどん絡んでいくことで、NPB側の野球ファンの関心を集めることが必要だと思います。

 

 

皆さんはこの問題についてどう思いますか?

コメントなどで教えてください。