再燃? プロ野球16球団化構想を考える【本拠地編】

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どうも、ちばけふです。

ここ最近、野球ファンの間ではまたNPB16球団化構想の議論が浮上していて、西スポの記事でも盛んに取り上げられています。

昨夏にはNPB加盟を視野に入れた琉球ブルーオーシャンズが沖縄に設立されたことは記憶に新しいと思います。

僕も年始に球団拡張についてのふたつ記事を書いたのですが、今回はもう少し深堀りしてみたいと思います。

僕自身は拡張推進派なのですが、この話題をシリーズ化して少しでも議論が出来ればと思います。

今回は本拠地についてです。

 

 

本拠地はどこになるのか?

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この16球団化のテーマになると必ず議題に上がるのが、新球団の本拠地をどこに置くか、だと思います。

以前の記事でもさらっと取り上げましたが、そこでは以下の7都市を候補に挙げています。

  • 新潟※
  • 静岡※
  • 京都
  • 倉敷※
  • 松山※
  • 下関
  • 沖縄

※は僕が以前最有力候補に挙げた都市です。

今回は各都市の特徴を野球ファンと地理ヲタクのふたつの観点からより詳しく見ていきます。

 

新潟

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市内人口:795,597人(推計人口、2020年1月1日)

都市圏人口:1,071,152人(2010年)

年平均気温:13.9℃(1981~2010年)

本拠地HARD OFF ECOスタジアム新潟(30,000人収容)

セールスポイント:候補都市の中では唯一の日本海側に位置するので地域バランス的には良い。人口は市内で80万、周辺地域を含めても100万以上いるのでマーケット規模も申し分ない。スタジアムのハードオフ新潟は3万人収容でNPBの公式戦やオールスターの開催実績もあるなど、本拠地として申し分ない。

課題日本海性気候で、春先と秋が寒い。日中の平均気温は3月は5.8℃、11月は10.5℃と仙台に次ぐ寒さ。また3月の降雪量は19㎝であり、屋外球場でプレーや観戦をするには厳しい環境であることは否めない。

 

静岡

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市内人口:689,494人(推計人口、2020年3月1日)

都市圏人口:1,001,597人(2010年)

年平均気温:16.5℃(1981~2010年)

本拠地:静岡草薙球場(21,656人収容)

セールスポイント:静岡も新潟同様、100万規模の都市圏を抱えているのでマーケット規模は問題ない。同じ県内の浜松市も新潟と人口規模が一緒なので準本拠地としてもフル活用できる。澤村栄治とベーブルースの対戦が語り草となっている草薙球場があるのもここで、静岡野球のメッカ。気候も温暖。

課題:本拠地候補の草薙球場が2万2千人収容とキャパシティーが小さく、貴賓席や物販スペースも無いことから大掛かりな改修工事が必要。県側も改修への予算投入に否定的で球団への費用負担を求めていることから、球団経営を圧迫する恐れがある。

 

京都

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市内人口:1,465,701人(推計人口、2020年1月1日)

都市圏人口:2,801,044人(2015年)

年平均気温:15.9℃(1981~2010年)

本拠地わかさスタジアム京都(20,000人収容)

セールスポイント:他都市の追随を許さない圧倒的な人口規模が魅力。スタジアムも昔から阪急や阪神が主催試合を行っており開催実績は充分で、アクセスも良好。

課題:わかさスタジアムが2万人キャパが非常に少ない。同じ関西にはオリックス阪神の既存2球団があることからパイの奪い合いになり、特に関西では圧倒的な人気を誇る阪神の牙城を切り崩す営業努力も必須。

 

倉敷

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市内人口:475,828人(推計人口、2020年1月1日)

都市圏人口:1,526,503人(2015年)

年平均気温:16.2℃(1981~2010年)※岡山市のデータ

本拠地:倉敷マスカットスタジアム(30,494人収容)

セールスポイント:隣接する岡山市などと合わせて150万のマーケットが売り。本拠地のマスカットスタジアムプロ野球の開催実績も豊富で3万越えのキャパシティから見ても本拠地として相応しい。

課題:関西と広島に挟まれていることから、タイガースとカープの人気に割って入らなければならないので営業努力は必須。

 

松山

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市内人口:508,912人(推計人口、2020年1月1日)

都市圏人口:642,841人(2010年)

年平均気温:16.5℃(1981~2010年)

本拠地坊っちゃんスタジアム(30,000人収容)

セールスポイント:四国には現在NPBのチームが無いことから、多くの議論で新本拠地の筆頭に挙げられる。本拠地の坊っちゃんスタジアムは3万人収容でNPBの公式戦やオールスターの開催実績もある。また、松山は古豪・松山商業を抱え、多くの野球用語を編み出した正岡子規の故郷であるなど、古くから野球熱が高い地域である。

課題:都市圏人口が桁違いに少なく、岡山-倉敷都市圏の半分規模のマーケットしかないので松山単独での興行は難しい。「四国球団」を掲げて人口80万の高松エリアも準本拠地として開拓するなど、四国全土に人気を普及させる必要がある。

 

下関

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市内人口:256,532人(推計人口、2020年1月1日)

都市圏人口:1,195,982人(2015年)※下関市北九州市の合計

年平均気温:16.7℃(1981~2010年)

本拠地:オーヴィジョンスタジアム下関(25,000人収容)

セールスポイント:隣の北九州市と合わせて120万近い人口規模。スタジアムも2万5千人収容とまずまずの規模。

課題:そもそもマーケット人口の大半を隣県の福岡に依存してしまっていることから、ホークスが加盟に反対するだろう。また、下関はベイスターズ発祥の地であることから横浜人気も根強い。そこに割って入るには大変な労力が必要。

 

沖縄(那覇)

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市内人口:317,951人(推計人口、2020年3月1日)

都市圏人口:830,525人(2010年)

年平均気温:23.1℃(1981~2010年)

本拠地沖縄セルラースタジアム那覇(20,000人収容)

セールスポイント:既存の球団は本土にしかないので、地域バランス的には画期的。多くの議論でも沖縄に本拠地を置く構想は多く支持者も多い。そして沖縄は言わずと知れた春季キャンプが盛んな地域で野球インフラは充実しているほか、甲子園優勝校を出すなど国内屈指の野球熱の高さがある。

課題:最大の敵は台風である。沖縄は本土との交通手段が事実上飛行機一択なので、台風が直撃すると他球団のスケジュールにも大きな狂いが生じてしまう。そして飛行機移動のみでは選手への肉体的負担が大きい。マーケットも松山に次ぐ少なさであり、スタジアムもキャパシティが小さい。

 

 

結局僕が選んだのは

改めて各地の特徴を洗い出した結果、

  セ・リーグ……新潟、松山

  パ・リーグ……静岡、倉敷

の振り分けが妥当なのではないかと思います。前回と一緒です。

京都、下関、沖縄はひとまず見送りという結論に至りました。

ここで選考理由と落選理由を紹介していきます。

 

選考理由

新潟:人口もスタジアムも申し分なく、日本海側に球団が存在しない現状を考えると筆頭候補。現状のセ球団の本拠地が東海道・山陽新幹線の沿線のみに隔たっている現状を是正するためセ・リーグに加盟。

静岡:球団の空白地帯で人口規模が十分。神奈川と愛知に挟まれているので、地域バランスを考慮してパ・リーグに加盟。

倉敷:4都市中トップの市場規模であることと充実した球場が決め手。岡山県も静岡と同様、兵庫と広島に挟まれているので、地域バランスを考慮してパ・リーグに加盟。 

松山:球団の空白地帯・四国の現状と立派なスタジアムの存在は無視できず。地域バランスもさることながら、ヤクルトを始め阪神、広島が主催試合を開催しているなど比較的セ・リーグへの親和性が高く人口のハンデを補いうることからセ・リーグに加盟。

 

落選理由 

京都:球団拡張は「地方創生」の意味合いも強く、同じ関西に既存球団が2つもあることから地域バランスを考慮したため。

下関:マーケットを隣の北九州に依存する体質になるのは避けられず、北九州で営業をするにはホークスの承諾が必要になるため。

沖縄:台風でシーズンの日程に甚大な影響を及ぼしかねないため。

 

 

まとめ:沖縄県、ごめんなさい。

僕の16球団化構想はこんな具合になりました。

できるだけ合理性を重視して選んだ結果だと思います。

そして一番誘致熱が高く多方面で有力な設立先とみなされる沖縄県を弾いたのは忍びないですが、自分なりに分析をした結果なので悪しからず…

ただ、事実上NPB参入を目指した準備球団が出来ているので手っ取り早く参入するのは沖縄なのではないかという予想も立ててはいます。

僕個人としても落選3都市の中で一番ポテンシャルがあるのは沖縄だと思うので、沖縄に球団を作るための課題を考察した記事を後日書こうと思います。

 

とは言え、僕が選んだ4都市であってもいざ参入させたとしても課題は山積みなのは否めません。

もちろん地域的な問題による経営だとかもそうですが、現行のシステムも色々変えていくべきだと考えています。

それもまたテーマごとに記事にしていきたいと思います。

 

 

 

 

16球団化構想のほかの記事はこちら(随時更新)

 

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