【プロ野球】16球団への拡張は可能か?

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どうも、chibakyoです。

今回は久しぶりに野球の話題です。

忘れた頃に定期的にやってくるプロ野球の球団数拡張話。

 

 

発端のニュース記事

1月11日付の西日本スポーツの報道でこんな記事がありました。

headlines.yahoo.co.jp

ソフトバンクの王会長の発言。

CSについてもそうですし、野球人口が減っている中でいかに盛り上げていくか、いかに野球の受け皿を大きくするかにも言及していました。

野球をする子供たちの目標が単純に増えるということも野球界発展には必要なんじゃないかと思います。

そして毎度毎度賛否の分かれるこの話ですが、個人的には夢のある話で実現してくれないかな〜とは思っています。

  

球団数増加のメリット

僕が考えるメリットは、CSの問題解決、マンネリ化の解消、地方創生の3つです。

 

CSの問題解決

f:id:chibakyo:20200112093854j:image現状のクライマックスシリーズ(以下CS)は消化試合をなくし、シーズン終盤までペナントを盛り上げる意味では意義があります。

ただやはり「借金抱えた3位のチームが日本シリーズに出てもいいのか?」という疑問や批判は随所で見られます。

そこで球団数を増やすことで「借金を抱えたチームが日本一になる可能性を限りなく抹殺する」ことは可能だと考えます。

そうすると「今のCSに借金持ちのチームの出場権剥奪という条項をつければいいじゃないか」という批判があると思いますが、それだと興業的にはまずいのでやはり球団を増やすことが先決だと思います。方策は後述します。

 

マンネリ化の解消

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現在のプロ野球は143試合制で、同一リーグのチームとの試合は5チームと年間25試合ずつにも及びます。

それに対してMLBでは162試合制に対し、一番多く組まれる同一地区のチームとの試合は4チームと年間19試合ずつ。

日米を同じ土俵で比較するのはナンセンスかもしれませんが、それでも同じ顔合わせが多すぎです。あるチームと3連戦を終えると、1カード挟んでまた顔合わせ、なんてこともザラにあるくらいマンネリ化しています。

今はプロ野球は景気が良いので持っていますが、人気が落ち着いてマンネリの沼にハマってしまえば客足は遠退きかねません。

球団数を増やしてマンネリ回避をするのもひとつの盛り上げ策です。

 

地方創生

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現在の日本は東京を中心とした一極集中が止まりません。地方も同様に盛り上げていかないと先細りしていくのは目に見えています。

プロ野球は他のプロスポーツと比較しても群を抜いて経済規模の大きい興業です。野球の試合そのものだけでなく、その周辺の経済にも影響を与えます。また、球団ができることで新たな雇用も生まれるなど、やり方次第で経済活性化の優良なコンテンツになり得るのがプロ野球なのです。

もちろんある程度の人口が無いと球団は成り立たないのでチームを作れる都市はそう多くありませんが、日本にはまだまだプロ野球空白地帯が残っているので参入の余地はある筈です。

また、2軍や3軍などの下部組織を更に地方の町に置くことで野球ファンの底上げにも繋がります。

 

球団数増加のデメリット

大きく挙げるとすれば、採算性と戦力格差、競技レベルの低下でしょう。あとは消化試合の増加とかも考えられますが今回はこの3つ。

採算性

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プロ野球の興業を成立させるには何と言っても観客動員数が多くなければいけませんが、仮に球団数拡張となれば、これまでにプロ野球の本拠地が置かれて来なかった地域にできることが予想されます。

果たしてプロ野球球団を維持することが出来るだけの都市がもうどのくらい残っているでしょうか。

現状に倣い、仮に興業を成立させるのに100万人のマーケットが必要と仮定しましょう。

現在人口100万人前後の都市にプロ球団が無いのは、さいたま、川崎、京都、北九州くらい。どの都市も大人の事情で球団ができる現実味は無さそうです。

また後述で詳しく言及しますが、今後は少子化が進んむ上に、参入時期の浅いうちはとてつもなく弱いことが予想されます。いくら球団が営業努力をしても、そもそも勝てないチームの試合を観にこようとするお客さんを集めるのには限界があります。

戦力格差

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2005年からしばらくの間の楽天イーグルスを見れば明らかです。特に球団創設1年目の楽天はシーズン100敗目前までいくダントツの最下位でした。

新しい球団を作るということは、当然一からチームを作るということになります。

楽天の場合はかなり不利とは言え、選手分配ドラフトというもので磯部や藤井といった近鉄の主力選手を確保できましたが、今回の場合はそうはいきません。ほぼ0の状態から選手を集めなければならないのです。

1軍で通用するか未知数な人を60〜70人確保して1年間を戦い抜かなければならず、1年目の楽天よりも惨憺たる結果になるのは目に見えています。

競技レベルの低下

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そんな2005年の楽天よりも酷い「寄せ集め」球団が4つもできると、当然、既存の球団や選手の成績はかなり向上するはずです。

ただそれは弱いチームで稼いだ賜物に過ぎず、そのリーグの真のレベルを示しているとは言い難いです。

まあそこの問題はクリアされ、時の経過によって新球団も実力を付けて戦力はある程度均衡化されるでしょう。

ただ、少子化と競技が多様化が進む現代日本に置いてこれ以上一定のレベルを維持するのは正直難しいでしょう。近年ではメジャーリーグも身近になってきて、優秀な人材が海を渡る流れは今後も止まらないはずです。そこに新球団が参入すれば各チームの戦力が薄まって、リーグ全体の競技レベルが下がってしまうのは自明ではないでしょうか。

 

 

 

仮に実現するとして

何球団作るか?

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もう議論の余地はないと思いますが、セパ2つずつの4チームで16球団制が一番妥当ですし、以降も16球団制を前提に話は進めます。

ただ、14球団制にすれば戦力格差と競技レベル低下のリスクの軽減には多少なるのではないかと思います。また数的に両リーグ1球団ずつ余るので、毎日どこかで交流戦が組まれることになり、組み合わせのマンネリ化も防げます。さらにCSの要件をそのままにすれば借金抱えたチームが日本シリーズ進出の可能性もかなり低くなるはずです。

本拠地はどこにするか?

いくつか候補地を上げて、僕のコメントも載せました。

①新潟

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80万の人口と3万人収容のスタジアムを擁する最有力候補。日本海側には球団が一つもない現状から見ても地域バランス的に妥当。唯一懸念点を挙げるとすればシーズン開幕時期の降雪。

 

②静岡

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人口は70万を数え、西方にも80万の浜松もあるので距離の問題はあるが150万以上の巨大マーケットは確保できる。ただ静岡は伝統的にサッカー県なので、そこへどう切り込むかが課題。

 

③京都

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人口は140万。近隣市町村を合わせても200万近い巨大マーケットが魅力。ただ同じ関西には既に2球団も存在するので地域バランス面では不利。更に阪神の牙城を切り崩すのも至難の業。

 

④倉敷

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プロ規格のスタジアムを擁する。人口は50万程度ながら、隣の岡山市と合わせれば広島市と同規模の120万マーケットが出来上がる。地域柄阪神と広島が浸透しているので営業力は必要。

 

⑤松山

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正岡子規や古豪松山商業を輩出する野球熱の高い地域。四国に球団がない現状やスタジアムから見ても新潟と並ぶ最有力候補。ただし人口50万と貧弱なマーケットでどう稼ぐかが鍵。

 

⑥下関

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ベイスターズ発祥の地。人口は30万弱だが隣県の北九州を取り込めば120万となる。フランチャイズ面はクリアするが、近隣のホークスはいい顔をしないだろう。個人的なダークホース。

 

⑦沖縄

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世間では有力候補の一つとして挙げられる。野球熱の高さで少ない市場をカバーするポテンシャルはあるだろうが、台風の影響をモロに受けるためペナントの進捗が狂うリスク大。

 

こんな感じで上げてみましたが、個人的にはリーグと地域バランスを考慮すると、

セ…新潟、松山  パ…静岡、倉敷

が妥当なんじゃないかなぁと考えていますが、みなさんはどうお考えでしょうか?

 

参入のタイミング

デメリットの項目でも言及しましたが、いきなり4球団もできると急激なレベル低下やパワーバランスの狂いが生じるので、2つの候補を考えました。

① まずは2〜3年間ほど2軍チームだけがリーグに参加し、ある程度1軍で戦えるための下地を整えてから本格参入する。

② まずは2球団だけ参加して14球団体制にする。4〜5年後にまた新たに2球団を加えて16球団制にリーグ再編をする。

これと平行して後述のリーグ改革を推し進めることで早期の戦力均衡化とレベルの底上げを図ります。

 

リーグ戦とポストシーズンの進め方は?

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仮に一時的にでも14球団体制にする期間があるとすれば、通常のリーグ戦と平行して余った各リーグ1チームずつが交流戦をする現在のメジャーリーグに似たシステムを採用します。

クライマックスシリーズは現状通り上位3球団が進出する仕組みですが、3位のチームに貯金が一定数ない場合は出場資格を剥奪します。なぜなら新規参入の1球団が入ってきても片手程度の貯金しか稼げないのはそれはそれで問題だと思うからです。

 

16球団制の場合は各リーグを東西2地区に分け、各地区で地区優勝を争います。地区優勝チーム同士が試合をしてリーグ優勝を決め、リーグ優勝したチームが日本シリーズに進出する、というみなさんもある程度頭の中にある仕組みです。

ペナントは現在と同じようにホームアンドアウェイのリーグ戦と交流戦を行います。リーグ戦ですが、同地区内のチーム同士の試合の比重をやや大きめにします。それでも球団数を考えれば現状の対戦試合数よりは少なくなるはずです。交流戦は対戦相手が増える分、現行通りのどちらかのホームで3連戦のパターンで十分だと思います。

 

ポストシーズンの大改革

また、ポストシーズンについてですが、ここでひとつの問題が浮上してきます。それは「とある地区優勝チームがもう片方の地区の2位チームよりも勝率が下回る問題」です。それを防ぐために同地区同士の対戦比重を増やしますが、それでもリーグの戦況によっては必ずしも起こり得ないとは限りません。

そこで、そうなった場合はその2位チームは「ワイルドカード」となり、自チームよりも勝率の低い他地区の優勝チームと対戦し、リーグ優勝決定シリーズに進出するチャンスが与えられます。

わかりやすく例えると、

ある年のセリーグの東地区優勝は巨人、西地区優勝は広島。しかし西地区2位の阪神の年間勝率は巨人を上回っている。よって、阪神ワイルドカードとなり、巨人とのリーグ優勝決定シリーズ進出予選の試合をすることで、リーグ優勝への望みを繋ぐことができる。

というふうになります。

こうすることで、地区優勝しても戦況によっては消化試合が出ない可能性があるわけです。

 

まとめ

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今回はこんな感じで球団を増やすメリット デメリット、仮に増やした後のことについて言及してみました。

冒頭でも言いましたが、僕個人としては16球団化は実現してほしいと思っています。

そのために特にデメリットをしっかりと炙り出し、その対策を打たなければなりません。そこで今回は自分なりにまとめてみました。

ただ、現状のリーグの運営制度では、NPBのレベルは間違いなく低下します。いくら増やしてポストシーズンを改革しても、です。

ですので並行してNPBにやってほしい改革もこの記事で描こうと思ったのですが、さすがに長くなり過ぎたので、別記事に分けることにしました。

特に外国人枠についてです。是非読んでみてください

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